浦和レッズに2戦合計1-2で敗れ、準優勝に終わったアルヒラル(サウジアラビア)のラモン・ディアス監督(58)は「浦和レッズに、おめでとうと言いたい。我々の選手のコンディションは良く、とてもよく戦った。もう少し、いい条件で東京に来ることが出来れば良かったが、本当にいい経験になった。私は満足している」と素直に浦和をたたえた。

 質疑応答の中で「選手全て、あまりいい状態じゃなかったようだが?」と質問が出た。第1戦で攻撃の中軸を担うブラジル人MFカルロス・エドゥアルドが故障して欠場し、第2戦でもFWハルビンが足を痛め、交代した。ディアス監督は「このチームでずっとやってきた。エドゥアルドがケガしたし、今日もストライカーがケガをした。不運があったが、今日はベストのチームで戦えた」と言い訳はしなかった。

 「第1戦ではチャンスがあったが、日本では、どうしてしまったんだ?」と聞かれると「今日も前半2、3回、チャンスがあったがゴールできなかった。ストライカーが欠場し、チーム力が落ちていたかも知れないが、チームは良くやった」と繰り返しチームをたたえ、言い訳めいたことは一切、口にしなかった。

 浦和の守備のやり方が変わったが? と聞かれると「浦和のDFが強かった。カウンターを狙っていたのか、中盤のDFが強かった。ストライカーがおらず、我々らしさはなかったかも知れないが」と語った。

 将来について聞かれると「とにかくプレーから戦術まで全てをこれから分析し、どれから補充するか、どう戦うかを大至急、早急にやりたい」と断言した。

 そして「社長から社員まで全ての人の協力のもと、いい経験が出来た。選手のことを誇りに思う」とクラブ関係者に感謝した。

 自身、Jリーグが開幕した93年から95年まで横浜マリノスでプレーしたディアス監督。会見場の席の右隣のテレビ画面には、ピッチ上で歓喜に湧く浦和の様子が映し出されていたが、最後まで視線を送ることはなかった。会見では終始、冷静だった中、意地とプライドををかいま見せた。【村上幸将】