全国高校サッカー選手権の開会式が30日、東京・駒沢陸上競技場で行われた。初出場の日本文理は全国選手権仕様にマイナーチェンジした青地に金の縦線が入ったユニホームに初めて身を包んで入場行進した。きょう31日午後2時10分から埼玉・浦和駒場スタジアムで立正大淞南(島根)との1回戦を戦う。

 開会式に臨んだ日本文理の選手たちは、大舞台の雰囲気に緊張と闘志を交錯させていた。DF長谷川龍一主将(3年)は、神戸入りが内定している青森山田のMF郷家友太(3年)ら、有名選手の姿を見て奮い立った「雑誌で見たことのある選手がいて興奮した」。その胸の高鳴りを、そのまま初戦にぶつけるつもり。「立ち上がりが大事になる」と立正大淞南戦に意識を集中させた。

 新潟出発日の27日は、悪天候と悪路に見舞われながら埼玉入りした。高速道路が通行止めになり、下道を使う強行軍だった。同日は埼玉・レッズランドで3時から練習を開始する予定だったが、2時間遅れ。練習会場を変更するアクシデントもあった。それでも、駒沢隆一監督(56)は「計画通り」と言った。初戦へ、確かな自信を持っていた。

 静岡の御殿場で20日から24日まで合宿を張った。練習ゲームも積み、実戦の手応えを得た。全国選手権に出場する一条(奈良)には3-0で快勝した。高校1、2年生だけの編成だった磐田ユースにも3-2で勝った。磐田ユース戦で、3点目の決勝点を奪ったFW亀山来駆(らいく=3年)は「順調に点を取っている」とプライドを見せた。

 立正大淞南と1回戦を戦う舞台、浦和駒場スタジアムを28日に見学した。ピッチサイドに立って、ゲームと観衆のイメージを浮かべた。長谷川主将は「県大会決勝はデンカビッグスワンだったから、会場にはのまれない」と、闘志をかき立てながらも平常心の構え。初出場した全国高校総体は阪南大高(大阪)に0-3の完敗だっただけに、初めての冬に狙うのは全国大会初勝利。長谷川主将は「立ち上がりから、何が起こるか分からない。先に対応できた方が主導権を握る」と、ゲームの流れを一気に引き寄せる決意だった。【涌井幹雄】