夏の全国総体との2冠を目指す流通経大柏が、エースナンバー10番を背負うMF菊地泰智(3年)の2得点の活躍で初戦を突破した。

 前半3分、ディフェンスラインからパスを受けた菊地が素早いボールコントロールから迷わずに左足を一閃(いっせん)。「シュートを打とうかなと思った時にはもう打っていた。ゴールは見ていませんでした」。ボールはゴール右上へと吸い込まれた。勢いに乗った菊地は後半4分にもゴールから約35メートル離れた位置でボールを受けると、そこから再び左足を振り抜いた。「シュート兼クロスみたいな感じ」で蹴ったボールはGKの手をかすめ、ゴールネットを揺らした。

 その後も追加点を挙げ、守っては必死に食い下がる大分西攻撃陣をDF関川無失点にシャットアウト。完勝だった。

 本田宗一郎監督は「大分西もいいチームでしたよ。1人1人のクオリティーは高かったね。うちの方がちょっと練習量が多かったかな」と振り返った。幸先の良いスタートを切った選手らについては「1人1人のキレがいいように思いました。結構この子たちは修羅場くぐってますから。リラックスしているように思いました」とたたえた。「得点王を狙っていけ」と声をかけていたという菊地については「出来過ぎじゃないですか。調子に乗らないように気をつけないと」と次戦以降へ向け、気を引き締めていた。