横浜F・マリノスは、再三チャンスをつくりながらも、ミスから喫した1失点に泣き、FC東京に敗れた。

 試合開始直後の前半5分、相手のFKに飛び出したGK飯倉大樹がヘディングでクリアするも、これがFW前田僚一に渡り、そのまま無人のゴールへミドルシュートを決められた。

 横浜は今季から前オーストラリア代表監督のアンジェ・ポステコグルー氏が新監督に就任。ボール保持率を高め、細かいパス回しを中心としたサッカーを目指す新指揮官のもと、1月下旬からのキャンプで試行錯誤を繰り返してきた。

 この日の試合でもディフェンスラインを高く保ち、選手同士の距離感を近くして小刻みにショートパスをつなぐシーンが多くみられた。失点シーンについてもMF喜田拓也が「今やろうとしていることにチャレンジしての結果。全然ネガティブになっていないですし、(試合を)総合すると悪くないのかなと思います」と振り返ったように、選手からは監督の目指すサッカーの完成度を確認できたことに対する前向きなコメントが多くみられた。

 飯倉は「監督から『ハイラインだから、なるべく高いポジションをとってくれ』という話があった」と明かした。失点につながった場面についても「ああいう形になってしまいましたけど(前に出て)チャレンジせずに失点するより、あそこのカバーにチャレンジするということに意味があるというか、あの失点をどうすれば防げるかを考えられれば問題はないと思います」と話した。

 ほかにもDF松原健、山中亮輔の両サイドバックコンビが中央に絞ってボールをさばく場面が増えるなど、新監督が就任して変わった部分は多く見受けられた。1月17日に新チームが始動して、今日でちょうど1カ月を迎えたばかり。試合後、ポステコグルー監督は「今日はチャンスもつくれたし、いい時間帯もあった。(戦術の)理解力を高めていけば、もっと得点できると信じています」と手応えも口にした。今季開幕まであと約1週間。短い準備期間の中、急ピッチでチーム作りを進めている。