ベガルタ仙台の開幕男MF富田晋伍主将(31)が今日25日のホーム柏レイソル戦で、チームを勝利に導く。24日、仙台市の紫山グラウンドで最終調整に臨んだ富田は主力組のダブルボランチの一角を担い、7年連続となる開幕スタメンが濃厚となった。クラブが昇格を果たした09年で勝利して以来、スタメン出場した開幕戦を5勝1分け1敗と圧倒的な強さを発揮。ケガから復活を遂げた14年目の頼れるキャプテンが、168日ぶりとなるピッチで、開幕戦4連勝を飾る。

 最終調整を終えた富田が開幕戦の勝利と、今季へ向けた思いを口にした。

 富田 仙台に長くいるし年齢も重ねてきた。勝つことが一番だという思いはぶらさずに臨みたい。トップ5の目標を達成するためには勝ち点を積み重ねていくしかない。本気で目標を成し遂げるためには、みんなで一つになって結果を出し続けていきたい。

 4季連続で主将を任された富田だが、開幕スタメンの手形はなかった。昨年9月10日の鳥栖戦で左ふともも裏の肉離れでプロになって初の長期離脱を経験。試合をスタンド観戦する日々だった。熟成していくチーム戦術を目の当たりにし、危機感を抱いて臨んだ今キャンプではい上がり、つかみ取った開幕切符だ。

 富田 上から試合を見ていてチームにリズム感や連動性が出てきたと思った。そのリズムの中に自分が入っていくために、テンポだったりバランスを意識しながら取り組んだ。自分ではポジションがあるとは思っていないので、もう1回奪い取る意識でキャンプに臨みました。

 渡辺晋監督(44)の元で主将に就任した15年からも開幕スタメンでフル出場し3戦3勝。渡辺監督も「意欲的にボールを受ける立ち位置に顔を出してくれていることは(富田)晋伍が進化してきているところ。必然的に前に絡む回数が増えているしチーム全体を前進させてくれている」と、全幅の信頼を寄せている。

終調整が行われた紫山グラウンドには小雪が舞う悪天候の中、約130人のサポーターが駆けつけ、イレブンに熱視線を送った。ベガルタ一筋14年目のベテランは「紫山にあれだけのサポーターが来てくれたのは初めてのこと。開幕を楽しみに待っててくれた人のためにも結果にこだわりたい」。ユアスタで迎える開幕戦で、歓喜の渦を巻き起こす。【下田雄一】