11年ぶりの歓喜をビッグセーブで巻き起こす。明日10日、今季本拠地初のリーグ戦、第3節清水エスパルス戦(札幌ドーム)に臨む北海道コンサドーレ札幌の守護神GKク・ソンユン(23)がゴールマウスを守り抜く。8日に行われた今年初の札幌ドームの練習では、芝の状況や今年からLEDに切り替わった照明の明るさなど、試合を想像しながら確認した。「やっぱり雰囲気が良いし、楽しかった」と笑顔を見せた。

 チームにとって鬼門のホーム開幕戦だ。07年の鳥栖戦(1-0)以来、4分け6敗で勝ち星から遠ざかっている。直近の5年でも連続でゴールを許している。クは「チームの勝利のために」と無失点に抑えることを誓う。攻撃的サッカーが浸透しつつあるチームの連係を最後列から見守りながら「最初は戸惑ったけど、慣れてきているので」と手応えを口にした。あとは味方が得点するのを待つだけだ。

 札幌移籍4年目。常にホーム開幕戦では先発メンバーに名を連ねてきた。「毎年素晴らしい雰囲気を作ってくれる」。たくさんのサポーターの応援に後押しされながら戦う特別な試合、リーグ戦に勢いをつけるためにも勝利にこだわる。

 昨年、札幌ドームMVP賞を獲得した。危機的状況を救う好セーブを積み重ね、ファンの投票で選出された。「賞は狙ってなかったけど、今年はもっと高い目標を目指している。もらえたらいい」と“ミスター・札幌ドーム”は言う。2年連続の受賞が実現するような活躍は、今季チーム初勝利をもたらしてくれるはずだ。【保坂果那】