鹿島アントラーズはホームでシドニーFCに追いつかれて引き分けた。

 それでも、勝ち点を8として、H組首位をキープ。次節4月3日のアウェー上海申花戦で少なくとも勝てば、1次リーグ突破が決まる。

 先制したのは鹿島。前半27分だった。左のショートコーナーから、プロ初先発の左サイドバックの小田逸稀がクロスを上げた。「そのままゴールに行くか、折り返しになるかというイメージで上げた。イメージ通りに蹴れた。すごくうれしい」。相手のクリアミスを誘い、流れたボールがFW金崎夢生の前に。それをエースが難なく押し込んだ。

 だが、後半は徐々に流れが相手に傾いた。すると、後半25分に左サイド深くまで侵入されて、GK曽ケ端準が出にくい位置に高いクロスを上げられた。長身のFWサイモンと競り合ったのは173センチの小田。ミスマッチを突かれて、頭で押し込まれた。

 「あの状況でクリアするのは難しかった。最初に(鹿島の)左サイドでボールを奪えず、右サイドに持って行かれた。ああいう状況になる前に防げたんじゃないかと思って、反省しています」。小田にとっては、喜びと悔しさが入り交じる試合になった。

 引き分けに、鹿島の選手の表情は暗かった。小田もその1人。「鹿島アントラーズは勝たないといけないチームなので、引き分けはすごく悔しい。2年目で若かろうが、試合に出たら勝利が求められるチーム。試合に出たくらいで満足していたらファンやサポーターも納得してくれない」。ただ、まだACLで負けていないのも事実。そして、1次リーグ突破に王手をかけたのも事実。両チーム最多5本のシュートを放った金崎は「もっと決められるところがあったので、すごく決めたかった。頑張って切り替えて、次は勝てるようにしたい」と話した。