全国高校サッカー選手権で初優勝した前橋育英(群馬)から加入した、J2アルビレックス新潟のルーキーDF渡辺泰基(18)が、FC東京戦で今季公式戦5戦目にして初出場し、フル出場を果たした。

 前橋育英では、左サイドからのオーバーラップと鋭いクロスを武器とした超攻撃的サイドバックとしてチームを初優勝に導いた。前橋育英と同じ左サイドバックでデビューしたこの日は、それほど前線には上がらず、ラインをコントロールすることに時間を割いた。「チャンスをいただけたことは、すごく感謝しています。ボールを回され、保持される時間がすごく多かったので、攻撃に移る時も守備ラインが低く、なかなか攻撃に参加できなかった。自分も受け身…もっと積極的に上がっても良かった」と振り返った。

 プロデビュー戦ならではの緊張もあった。「やっぱり前半は少し固くて、視野が狭かった。後半に入って自分も落ち着いてきてパスコースが見えたのは良かった」と笑みを浮かべた。

 後半25分からは、途中交代で入ってきた東京の16歳FW久保建英とマッチアップした。ドリブルで仕掛けてきた久保に、タイトに寄せる場面もあったが、かわされる場面もあった。「すごく技術も高いですし、判断も速くて、年齢とか関係なくプロの選手として、自分も見習わなければいけないと思った。ドリブルが、すごいうまいので簡単に持たせると怖い。出来るだけ寄せるようにした。負けたくはなかった」と意地をのぞかせた。

 新潟出身で、前橋育英に進む前は新潟の下部組織でプレーしていた。高校サッカーには進んでいないが、同じ下部組織からトップに上がった先輩サイドバックとして、ドイツ1部ハンブルガーSVでプレーする酒井高徳(26)がいる。渡辺泰は「今は、まだ全然Jリーグでも試合に出られていないので、そのレベルにはないんですけど、いずれは海外も視野に入れたい。今日はしっかり準備は出来ていたんですけど、試合は良い結果を残せなかった。満足せず、チームの力になれることが1番なので、突き詰めたい」と決意を口にした。【村上幸将】