浦和は広島と引き分け、今季の公式戦で初めて無失点で試合を終えた。

 2日に堀孝史前監督を成績不振で解任し、大槻毅暫定監督(45)での初戦。1日のリーグ第5節アウェー磐田戦からスタメン全員を入れ替え、GK福島春樹、MF柴戸海、新加入のオーストラリア代表FWアンドリュー・ナバウトがデビューした。

 序盤こそ攻め込まれる時間が長かったが、後半は徐々にリズムに乗った。今季から浦和へ復帰したMF山田直輝らを中心とした連係からサイドを使い、好機を作った。得点には結びつかなかったものの、堀体制で出場機会に恵まれなかった選手たちがリーグ戦でも好調の広島を相手に敵地でアピールした。

 試合後、大槻暫定監督は選手起用について3つの基準で判断したと説明した。「フレッシュであること、『チームのために貢献したい』という野心、責任を持てるか」。リーグ戦も含めた過密日程も考慮し、練習で動きがよかった選手を抜てきした。「(プレーの)質は別として、しっかり走ろうというのが見えたことはよかった。そうした意欲がリーグ戦にもつながっていってほしい」と、今後の奮起にも期待した。

 選手起用については「監督が変わっているわけですから(前体制と)同じ選手がいい評価を受けるかどうかは分からない」とフラットな目線で見極めると明言。「自分の場合は、足が速いとかより、チームに貢献できるのがいい選手だと思う。選手と一緒に戦っていこうという気持ちでいる」と、選手間の競争も活性化させながら不振からの脱却を目指す。