J2アルビレックス新潟のルヴァン杯初勝利はならなかった。横浜F・マリノスに1-3で逆転負けした。前半28分、今季東京Vから移籍のMF高木善朗(25)が移籍後公式戦初ゴールで先制。ただ、後半に3失点と崩れた。リーグ前節熊本戦(1日)から中2日で、ベンチ入り17人を総入れ替えで臨んだ中、結果は残せなかった。

 MF高木の鮮やかな先制ゴールが、この試合の唯一の見せ場だった。

 自陣でボールをキープしたFWターレス(22)が中央にスルーパス。飛び出した高木が受けてドリブルで突破する。前に出てきた横浜GK杉本大地(24)をかわし、ループ気味にゴールマウスに放り込んだ。

 高木にとっては意味のある1点だ。リーグ戦の熊本戦ではベンチメンバーから外れた。「悔しかった。だからアピールするしかなかった」。調子は悪くない。前日3日の練習では、フリーキックを直接ゴールに決めてチームメートから拍手を浴びるなど、キックそのものの精度は上がっていた。それを示したゴール。リーグ戦出場へ、インパクトを与えた。

 熊本戦からメンバーを総入れ替えし、システムも3-6-1から4-2-3-1と4バックへ。鈴木政一監督(63)は「今回のメンバーにとっては、この方が判断しやすい」。選手の特徴に合わせて、システムを変更した。

 攻撃で収穫はあった。高木のゴールを引き出したターレスは再三のポストプレーでチャンスメーク。「監督に求められたことをやって、得点につなげたい」。本来は自身のゴールがほしいはずのストライカーが、組み立てに尽力した。ただ、守備面では後半に立て続けに3失点。一瞬のマークのずれからリズムを失った。

 「ここで勝てば刺激になる」。鈴木監督は横浜相手の白星を起爆剤にする狙いだったが、それはならなかった。リーグ戦次節岡山戦(8日)で立て直す。【斎藤慎一郎】