浦和レッズは鹿島アントラーズに惜敗し、07年から宿敵を率いてリーグ3連覇を果たすなどしたオズワルド・オリベイラ監督(67)の古巣戦を飾ることはできなかった。

 ここまで20チーム以上を率いた経験の深いオリベイラ監督にもこみ上げる思いはあった。7年ぶりの日本、そしてカシマスタジアム。メンバー発表の最後に名前がアナウンスされると、これでもかというブーイングを受けた。「このスタジアムで鹿島と対戦する。そのことを考えて、眠れない夜もあった」。自然にプロらしく臨もうと自身を律したが、特別な感情があった。

 前節の川崎フロンターレ戦で2得点を決めるなどチームのエースであるFW興梠慎三にとっても古巣との一戦。点取り屋は序盤から徹底したマークにあい、簡単には前を向かせてもらえなかった。それでもパスをサイドに散らすなど工夫し、右MF橋岡大樹が積極的な攻撃参加するなど、幾度も好機をつくった。ただ、最後までゴールが遠かった。

 敗れはしたものの、内容では敵地で引けを取らなかった。指揮官は「最後まで互いゴールを目指したいい試合だった。結果だけが内容を反映していない。相手陣内で常に押し込んでいた」と、選手のプレーぶりを評価した。