敵地で猛攻に耐えきった。北海道コンサドーレ札幌はアウェーFC東京戦をスコアレスドローで終え、リーグ戦11戦負けなしと記録を伸ばした。GKク・ソンユン(23)、DFキム・ミンテ(24)を中心に、今季2人で13得点を稼いでいる、東京FWのディエゴ・オリヴェイラ、永井の2トップをシャットアウト。上位対決で貴重な勝ち点1を挙げ、3位をキープした。

 雨中での2位を争う直接対決で、札幌はゴールを守りきった。得点を奪えず勝利は逃したが、ペトロビッチ監督は「両チームいいゲームをした。ハードワークし、テンポが速く、球際の激しい試合。見応えのあるゲームだった」と健闘をたたえた。

 前半ロスタイムにあった最大のピンチも、守護神が立ちはだかった。ゴール中央約20メートル付近からの相手FK。DF太田が直接ゴールを狙ってきたが、枠内をとらえた的確なシュートもGKクがしっかりとキャッチした。札幌7本に対し、東京のシュートは13本。攻め込まれる時間は長かったが、クは「悪くはなかった」と、2試合連続無失点に貢献した。

 今季9得点のFWディエゴ・オリヴェイラと、4得点永井の2トップ。守備陣は戦前から警戒を強めていた。ペトロビッチ監督は「東京はスピードを生かしたカウンターを仕掛けてくる。選手にはボールを失った後の切り替えで、いかに速くプレッシャーをかけに行くかを伝えていた」。指揮官の言葉通り、前半13分には、ロングパスからDFラインの裏に抜けた永井がゴールへ迫ったが、DFキムの対応が素早く。難なくクリアしてピンチの芽を摘んだ。

 これで11試合負けなし。勝ち点1をつかみ取り、痛み分けとなった東京との勝ち点差は1のままとした。2位浮上は果たせなかったが、ワールドカップでの中断期間前にまだチャンスはある。次節20日アウェー神戸戦へ主将のMF宮沢は「勝って終わりたい」。攻撃的チームを掲げるチームで、守備力も光った一戦。不敗が証明しているように、また1つ自信も手にした。【保坂果那】

 ◆札幌の不敗記録 J1での最長記録は現在更新中。これまでは、01年第2ステージ第5節清水戦から第9節広島戦までの5戦が最長だった。JFL、J2時代を含めれば、岡田武史監督が率い、31勝5分け4敗とぶっちぎりでJ2優勝した00年に、第9節水戸戦から17戦負けなしをマーク。これがクラブ最長記録となっている。