男子は尚志(福島)が9回の優勝を誇る青森山田に2-1で逆転勝ちし、初優勝した。後半に、DF中川路功多とMF小池陸斗の2年生コンビが、ともに今大会初ゴールで鮮やかな下克上を果たした。

 尚志の粘り強いパスサッカーが、青森山田の攻撃力に打ち勝った。昨大会は0-3、1月の東北新人大会では0-1と、決勝で連敗中の相手に雪辱した。前半4分にいきなり失点も、その後は正確なパス回しで無失点にしのぐと、後半18分にDF中川路がヘディングで同点弾。「得意のロングパスがなかなか通らなくてもどかしかった。でもその分、得点で貢献できた」と胸を張った。

 同点の後半23分には、相手ファウルからの直接フリーキック。MF小池がペナルティーエリアの外、やや右からシュートを放ちゴール左隅へ突き刺した。決勝点をもぎ取り「得意のセットプレー。ゴールを狙っていた。理想の軌道だった」と振り返り、「東北大会では青森山田というイメージ。その相手を倒せたのがうれしい」と笑顔を見せた。

 目指すチームの理想像が、夏本番に向けて完成型に近づいている。梅津知巳コーチ(40)は「苦しい試合展開の中で、正確なパス回しができた。パスを重視した実戦形式のゲームに、普段の練習のほとんどを充てた成果が出た」と、実践を結果に出した。そして「(青森山田に)勝てたことは、インターハイへ向けて理想的な流れ。ベスト4を狙いたい」と「東北の雄」撃破を足掛かりに、全国でも上位進出を見据えた。【神稔典】