ジュビロ磐田が元日本代表で川崎フロンターレのFW大久保嘉人(36)を獲得することが24日、濃厚となった。

 交渉は最終段階を迎えており、近日中にクラブから正式発表される見込み。W杯によるリーグ中断前までの15試合を終え、リーグ13位の15得点と決定力不足が課題だった。13年から3年連続得点王でJ1最多181得点を記録するストライカーを加え、8位からの巻き返しを狙う。

 磐田が上位進出に向けて、J屈指のストライカーを迎える。関係者によると、大久保との交渉は既に大詰めを迎え、獲得は濃厚。近日中に「ジュビロ大久保」が誕生する見通しとなった。

 大久保は今季東京から1年契約の完全移籍で古巣川崎Fに復帰したが、開幕から15試合で先発は4試合のみ。直近2試合ではベンチも外れるなど、出場機会が減少していた。そんな中、磐田からオファーが届き、悩み抜いた末に新天地への移籍を決断したようだ。

 磐田はMFアダイウトンが3月18日の広島戦で右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。開幕4戦目で、昨季32試合8得点の助っ人が長期離脱を余儀なくされた。名波監督はFW川又の1トップだけでなく、FW小川航、FW中野を起用した2トップも採用して現状打開を図ったが、うまく機能しなかった。15試合中7試合で無得点、総得点もリーグ13位の15得点と苦しんでいた。

 名波監督は以前から「日本人の中では(大久保)嘉人が群を抜いてシュートがうまい。ミート率が高い上に、パワーもある」と高く評価。得点力不足を解消すべく、夏季の補強の目玉としてJ1最多得点を誇る点取り屋に白羽の矢を立てた。

 磐田はリーグ再開となる7月18日のホーム鹿島戦に向けて、静岡・御殿場でキャンプを行っている。名波監督は「7割以上攻撃の練習をする。得点が全て」と語り、今季掲げる目標の「5位以内」を達成のため改善を重ねている。実力、経験、実績を兼ね備えた大久保の加入となれば、大きな起爆剤にもなる。最終段階の交渉がまとまり次第、27日までのキャンプに合流することになりそうだ。

 ◆大久保嘉人(おおくぼ・よしと)1982年(昭57)6月9日、福岡県苅田町生まれ。南原小1年時にサッカーを始め、長崎・国見高3年時に総体、国体、選手権の高校3冠。01年にセレッソ大阪入り。04年にマジョルカ移籍。06年に復帰したC大阪からヴィッセル神戸、ウォルフスブルク、神戸復帰をへて13年から川崎F。同年からJ1史上初の3年連続得点王。17年はFC東京。日本代表は04年アテネ五輪と10、14年のW杯に出場。国際Aマッチ通算60試合6得点。家族は夫人と4男。170センチ、73キロ。血液型A。