J2アルビレックス新潟は13日、第23節横浜FC戦(15日・デンカビッグスワンスタジアム)に向けた練習を聖籠町のクラブハウス練習場で行った。実戦形式のメニューでMF小川佳純(33)がボランチに入った。現在17位で、ホームではいまだに第6節徳島戦の1勝のみ。白星からも4試合遠ざかっている状況を、試合巧者のベテランが司令塔になって打開を図る可能性が出てきた。

 攻撃陣と守備陣に分かれての実戦形式のメニューが始まると、小川は攻撃側の中盤の底に入った。サイドハーフ、FWとの距離を確認しながらパスを供給する。今季はボランチでのスタメンはない。練習後は「(横浜FC戦は)センターFWで出る準備をしますよ」と、にやり。

 2列目や最前線で起点をつくり、自らもゴールを狙う機動力が持ち味。試合の流れを見る力はチームNO・1だ。「最近は自分たちがボールを持っているときにバタバタして失ってしまう。もっと持つ時間を長くしないと」。ゲームメークのイメージはできている。鈴木政一監督(63)は「小川をどこで使うかは、まだ分からない」とした上で、「落ち着いてボールを動かすためにボランチに入れてみた」と、期待を込めて実戦に即したプレーを確認した。

 左大腿(だいたい)部の負傷から復帰した7日のアウェー松本戦は後半途中出場で15分、11日のホームでの天皇杯3回戦・東京戦は先発で64分間プレーした。「試合勘は問題ない」と手応えをつかんだ。

 何より、使命感がある。天皇杯の観客数は2315人。閑散とした観客席に寂しさを感じた。「応援しがいのないチームになってしまったのかもしれない。ホームで強いアルビを見せないと」。勝ち点3を挙げる決意は固まった。【斎藤慎一郎】