「宮本ガンバ」が始動した。ガンバ大阪の宮本恒靖新監督(41)が25日、大阪・吹田市内で練習初日を迎えた。夕方からの非公開練習でいきなり宮本流を披露。G大阪や日本代表で培った守備を徹底的に落とし込み、知的な宮本監督らしく「頭のいいプレー」を選手に要求した。チームは17試合を終えて4勝3分け10敗の勝ち点15で、J2降格圏の16位に低迷。成績不振に陥るG大阪を宮本監督が復活させる。

 日が暮れ始めたころ、練習前のミーティングを終え、宮本監督は練習場に向かった。初めて指揮を執った約1時間半の非公開練習では、主に守備を落とし込んだ。まずは基本の見直しから。ワンプレーごとに止め、指示を出したという。「求めるのはシンプル。判断が伴う、頭のいいプレーを求めていきたい」。

 クラブは23日にクルピ前監督の解任と、後任にG大阪U-23(23歳以下)を率いていた元日本代表の宮本氏の昇格を発表した。新指揮官は「レビー(クルピ前監督)の時は自由度が高かった。個人の良さを生かしながら協力してやればもっと楽にプレーできる」と分析した。初めてのミーティングでは、現在リーグワースト6位の守備の約束事を決めた後「必ず上にいける」とハッパを掛けた。

 これまでG大阪は午前練習が多く、試合の2日前までは公開していたが、夕方で非公開練習も宮本流。MF遠藤は「涼しいし、選手の状態を考えてくれた」と宮本監督の配慮に感謝した。

 日本代表やG大阪で主将を務めたリーダー性にひかれ、選手もまとまった。MF倉田は「練習でみんな目つきが変わった。ツネさん(宮本監督)は外見かっこいいけど、もともと熱い人。俺自身も信頼している」。新指揮官が現役時代の05年、共にJ1優勝を経験した遠藤は「賢い人だけど厳しさもある。いい関係を築いていきたい」。

 28日には初陣の鹿島戦をホームで迎える。23日に就任したばかりで「バタバタと準備している」。実は24日からバカンスに出掛ける予定で、急きょキャンセルしたことも明かした。「強いガンバに戻るため、選手、スタッフと力を合わせて試行錯誤していきたい」。宮本ガンバがここから逆襲を図る。【小杉舞】