松本山雅FCの反町康治監督(54)は、ジェフユナイテッド千葉に逆転勝ちし、開口一番「冷房が効いている部屋が、こんなに気持ちいいと思いませんでした」と言い、報道陣を笑わせた。

 午後6時キックオフの試合は、気温29・2度、湿度75%と蒸し暑かった。その中、前半41分に千葉の放ったクロスボールが、FWラリベイをマークしたMF岩上祐三(29)の手に当たり、PKを献上して失点。4分後にFW前田大然(20)のゴールで追いつくと、後半7分に岩上、同16分には前田が右サイドから折り返したボールをMF中美慶哉が落とし、MF岩間雄大(32)が押し込み3連発で逆転。その後、同45分に失点し最後は1点差となる出入りの激しい試合だった。

 反町監督は「気温も非常に高いゲームでしたけど、誰もアゴが上がることなく試合が出来た。動かす、止める力も、かなり差があるのは分かった上でゲームをやりましたし、これからもやっていきます。ただ、我々にしかない部分もあり、その強みを出した部分もある」と総括した。その上で「アウェーで、これだけ応援してくれたら選手もアゴを上げるわけにはいかない。サポーターに感謝したい。苦しいゲームをひっくり返すことができ、うれしく思います」と、アウェーに駆け付けた約2600人のサポーターに感謝した。

 千葉戦に向け、守備のやり方を変えたという。反町監督は「DFのやり方を変え、効率良く守るために千葉対策をしたが、うまくいったか? 腰が引けて体重が後ろに引っ張られ、ああいうPKを与えてチャンスメイクされた。後半、特に我々の右サイドの対応を変えて、守備のリズムが出来た」と試合中に修整が必要だったと明かした。

 今後の戦いについて聞かれると「今年のJ2は、どこも変わらない。3-0で千葉と思った方は多いと思うけれど、そこを何とかするのがサッカーの楽しさであるし、難しさ。(松本の)戦うところ、走るところを前面に押し出す」と語った。27試合を終えて、勝ち点は53。「(試合数)かける2…54に近づいてきたのはうれしいし、8月を無敗でいけるよう日々、努力したい」と見通しを語った。【村上幸将】