FC東京の長谷川健太監督(52)が、かつての古巣に痛い敗戦を喫した。

 昨季まで5シーズン指揮したガンバ大阪相手に、前半34分にゴール前の混戦から先制を許す展開。「セットプレーからの流れで仕方ない」と冷静に受け止めつつ、盛り返して後半41分にFWディエゴ・オリヴェイラが同点弾を奪い「今週は台風接近で関東が涼しく、関西の蒸し暑さに苦しめられた。その中でよくやってくれた」。しかし、そこからが「もったいなかった」という。

 1-1で迎えたロスタイムのラストプレー。守備の人数はそろっていたが、FWアデミウソンに個人技で決勝弾を奪われ「DFは突っ込まず、しっかりリスク管理すべきだった。あの状況でゴールをあげる必要は全くなかったし、勝ち点を持って帰れた試合。いい人ではないので、勝ち点3プレゼントしたくなかった。悔しい」。凱旋(がいせん)のはずだった会見室で、指揮官は悔しさを押し殺して汗をぬぐった。

 攻撃陣もFW富樫が再三のチャンスを生かせず、長谷川監督は「本人にも『外しまくったから負けた』と言いました。自分で壁を越えてほしいし、チームとしてもこれを教訓に、まだまだ成長しないといけない。今日はガンバに風が吹いていた」。努めて冷静に、古巣との試合を振り返っていた。