町田ゼルビアが、東京五輪世代のMF平戸太貴(21)の2戦連続となる2ゴールでリードも、ジェフユナイテッド千葉が後半30分からの8分間に3連続で獲得したPKを決め、引き分けた。

 両軍がせめぎ合いを続け、互いにボールがつながらない中、前半25分、思わぬ形で町田に先制点が入った。平戸が右サイドでFKを軽く前に蹴りだし、MF森村昴太が放った右クロスが、はじき返そうとした千葉DF鳥海晃司(23)の頭に当たり、そのまま千葉ゴール方向へ。GK佐藤優也は弾きにいったものの、ゴールに吸い込まれた。

 前半45分、町田が追加点を挙げた。千葉ペナルティーエリア右に進入した森村が、右からのパスをヒールで後ろにそらした。そこに飛び込んだDF大谷尚輝はDFに倒されたが、こぼれ球を拾った平戸は、そのまま右にターンすると、左足を振り抜きゴールにたたき込んだ。4日の前節・横浜FC戦でも2ゴール決めた勢いそのままに、平戸が目の覚めるようなゴールで周囲を圧倒した。

 平戸の勢いは、後半も止まらなかった。19分、左サイドを突破した森村のクロスを、平戸は左足でトラップすると、GKとの1対1から冷静に右足で決めた。

 ところが終盤、一気に試合は千葉に傾いた。後半30分、右CKからのこぼれ球を、途中出場のFW指宿洋史(27)が左から折り返したボールがDFのハンドを誘い、得たPKを指宿が自ら右足で決めた。

 後半34分には、再び指宿がゴールを背負った状態でボールを収めると、DF深津康太をかわそうとしたところで後ろから倒されて再びPKを獲得。そのPKを、今度はFW船山貴之(31)が右足で決めて1点差となった。

 さらに同38分、船山が右から仕掛けてDFのハンドを誘いPKを獲得。町田の猛抗議もむなしく、船山がこの日2点目のPKを自ら右足で決めて引き分けた。