アルビレックス新潟はアビスパ福岡に0-3で敗れ、連敗が6に伸びた。第6節徳島ヴォルティス戦以来のホーム白星、7日に解任された鈴木政一前監督(63)の後を受けて、22日に就任した片渕浩一郎新監督(43)の初陣勝利も飾れなかった。前半14、32分と福岡に得点を許し、ペースを握られると、後半にも1失点。追い上げることはできなかった。

雨に濡れたピッチの上で、新潟のメンバーは試合終了と同時にうつむいた。ハーフタイムになっても途絶えないほど続いたサポーターの応援も、終了の笛とともに止まった。

鈴木前監督退任後、ヘッドコーチとして暫定の指揮を執った片渕監督が、正式に監督に就任して迎えた初戦。チームにとっても仕切り直しの一戦だったが、黒星の数はさらに増えた。

前回はアウェーで破った福岡に、ホームで借りを返された。前半14分、クロスから福岡のMF石津大介(28)に先制されると、前半32分にはFWドゥドゥ(28)に追加点を許した。後半ロスタイムにはダメ押しの3失点目を喫した。

攻撃はFW矢野貴章(34)FW渡辺新太(23)のツートップが裏を狙うが、福岡の守備に阻まれた。「点を取るしかないぞ。立ち上がりからパワーを出していこう!」。片渕監督はハーフタイムにゲキを飛ばした。それでもゴールは遠い。サイドハーフに入った田中達也(35)のミドル、大宮から移籍し、この日が初出場のMFカウエ(29)のシュートも相手守備に阻まれた。

福岡戦に向けた練習が始まった22日から、片渕監督が最も大切にしてきたのは一体感。練習からミスとその対策を共有した。必然的に選手同士の会話が増える。実戦形式のメニューでは各ポジションから動きを指摘し、指示しあう声が出た。それでも試合になるとゴールを守れず、相手の守備を崩すことはできなかった。

J1の座を明け渡した昨季に続く6連敗。脱出のきっかけは、まだ見えてこない。【斎藤慎一郎】