17位ガンバ大阪がホームで2位川崎フロンターレを2-0で下した。宮本恒靖監督(41)就任後、8戦目で初の完封勝ち。FW渡辺千真(32)は移籍後ホーム初先発し、先制点をもたらした。2得点はともにセットプレーから。MF今野泰幸(35)が3カ月半ぶりにJ1で先発復帰し、守備面は3バックが機能。10試合ぶりの無失点試合で勝ち点3を得て、残留へ一筋の光が見えた。

試合終了の長い笛が鳴ると、選手は両手でガッツポーズし勝利をかみしめた。自信を取り戻す大きな1勝。好機をしっかり決めた。前半7分、MF遠藤のCKからのクロスをDF菅沼がヘディングシュート。はね返りをFW渡辺が左足で決めて先制した。後半10分も、CKからだった。DFファビオが右足で押し込んだ。追加点で引き離し、宮本監督は「後半に入っても前線にパワーを持っていた」とたたえた。

攻守がかみ合った。この日は通常の4バックではなく、3バックでスタート。右足首痛で離脱していたMF今野もボランチに復帰し、最終ラインと中盤で守備を固めた。10試合ぶりの無失点。完封勝利は5月2日仙台戦(1-0)以来4カ月ぶりとなった。3カ月半ぶりの復帰戦でフル出場した今野は「90分やれると思っていなかった。集中し続けないと失点してしまう中で、最後のところで相手に(サッカーを)やらせなかった」と手ごたえを口にした。

課題と向き合ってつかんだ勝利でもあった。試合前には昨年の映像を見て、1対1の局面で負けないこと、球際に厳しく守ることを確認した。宮本監督は戦術を口外しないと決め、勝ち点3にこだわった。その結果の快勝。指揮官も「全員が落ち着いて守備ができた」と納得した。

上位から得た4試合ぶりの勝利は大きい。降格圏17位と順位は変わらないが、逆転残留へ浮上のきっかけはつかんだ。【小杉舞】