前節、首位のFC町田ゼルビアがアウェーでヴァンフォーレ甲府に2-0で快勝し、勝ち点を59に伸ばした。一方、町田に得失点差1でかわされ2位に後退した松本山雅FCは、アウェーで水戸ホーリーホックに1-1で引き分け、町田との勝ち点差は2に開いた。3位の横浜FCは、京都サンガに3-1で快勝し、松本に勝ち点2差に迫った。5位のアビスパ福岡は4位の大分トリニータに1-0で勝って4位に浮上した一方、大分は7位に転落。東京ヴェルディはツエーゲン金沢に1-0で勝ち、5位に浮上した。

今節は5位の東京V対3位の横浜FC、4位の福岡対2位の松本の上位直接対決に注目だ。東京Vは2連勝を含む3戦負けなしと好調だが、横浜FCには3連続引き分けを含む4分け1敗と未勝利が続く。その中、期待したいのは、森保一監督率いるU-21(21歳以下)日本代表の一員として、アジア大会準優勝に貢献したMF渡辺皓太だ。8月29日の準決勝UAE戦では後半33分、相手ゴール前でボールを奪うとFW上田綺世の決勝弾をアシスト。ボールを奪取し、鋭くパスを送る東京Vでのプレーを、アジアの舞台でも発揮した。帰国後、東京Vの練習に合流しており、横浜FC戦に出場すれば、アジアで輝いたプレーを味の素スタジアムでも見せてくれそうだ

一方、横浜FCも8月11日のロアッソ熊本戦以降4連勝と絶好調だ。17年に25ゴールで得点王に輝いたFWイバが2戦連続ゴール中で、熊本戦のハットトリック、2-3で敗れた同4日の町田戦の1ゴールを含めると、5戦6発と猛爆中。13得点で得点ランクも3位タイに浮上した。東京Vロティーナ監督が敷く、組織的で強固な守備網を打破するには、京都戦でDFと競り合いながらゴールをねじ込んだイバの力は必須だ。

福岡対松本の1戦は、過去のデータから見ると松本に分が良い。松本は過去、17年5月7日にホームで0-1で敗れたのが唯一の敗戦で、同戦を除けば5勝3分けと福岡を“お得意様”にしている。水戸戦は先制を許す苦しい展開の中、0-2で敗れた5月6日のFC岐阜戦以来18戦、約4カ月ぶりに先発のDF田中隼磨が、左クロスからのこぼれ球を右足でたたき込み追いついた。2連敗と苦しい中、勝ち点1奪取に貢献した36歳のベテランの気迫はチームの巻き返しには不可欠だ。

一方、福岡も前節の大分戦で、途中出場のFWレオミネイロが後半ロスタイム3分にペナルティーエリア左から右足で巻く、劇的な決勝弾を決めた。ともに九州をホームにする上位対決での劇的弾は、大きな追い風となりそうだ。

首位町田は、ホームで水戸と対戦する。町田は17年4月29日にホームで2-3で敗れたのが水戸戦での唯一の敗戦で、同戦以降2連勝中だ。ルーキーながら守護神として活躍するGK福井光輝が累積警告で出場停止だが、17年まで守護神だった37歳のベテランGK高原寿康も控えており不安はない。2位以下との差を、さらに広げることは出来るか?

一方、水戸は松本戦の前半23分にCKからのこぼれ球を左足で決めた、MF木村祐志に2戦連続のビューティフルゴールに期待したい。