J1柏レイソルは27日、柏市内で30日のアウェー浦和レッズ戦(埼玉)へむけて調整した。

4月にホームで戦った前回の対戦は1-0で勝利。しかし、その後、両チームともに監督交代を経験するなど、状況は変わっている。非公開としたこの日の練習では浦和の布陣などを想定した攻守の戦い方などを確認。チームはJ2降格圏内の17位G大阪と同じ勝ち点30の16位に沈んでおり、残留争いを抜け出すためにも負けられない一戦となる。

引き分けに終わった前節の鳥栖戦前には、MF栗沢僚一(36)や大谷秀和(33)らベテラン選手が中心となって選手のみでのミーティングを今季初めて行った。栗沢は「グラウンドで起こっていることがそのまま試合に出ると思うので、試合で勝つために練習でいい準備をする。メンタル的な話が多かった」と振り返る。練習などでは早速、効果が出ているといい「今週もいい練習ができているし、鳥栖戦も引き分けたけど、個人的には気迫とか、仲間を助けるというところは今までにないぐらい出ていたと思う。でも、当たり前のことなので、そこにプラスして個人がチームのためにやることが必要になってくる」と気を引き締めた。

ミーティングの実現には、今月にスペイン2部タラゴナから3年ぶりに柏に復帰したDF鈴木大輔(28)の存在も大きかったと明かし「外から来たことで、もっとこれは選手で解決できるんじゃないかという意見はあった。うしろ(守備)の選手で、(柏で)タイトルもとっているし、勝つときの雰囲気をわかっている。なかなか気づいていても変化は起こしにくいので、そういう選手がくるのはチーム的にもありがたい。大輔が来てから練習でもよく声が出ているし、いい傾向だと思う」と話した。

そんな鈴木は加入後、すぐにセンターバックのレギュラーとして2試合にフル出場。若手の多いチームの中で、自身の経験を生かしてチームを変えようとしている。鈴木は「自分はどちらかと言うと技術的なところよりも、うしろからコーチングしたりとか、リーダーシップをとるというところで貢献できるとは思っています」と話す。ミーティングでは1人1人の意識について話したといい「残留争いをしている中で、(個人の)出すべきベースとなるところは毎試合出していきたいというのは話した。試合でやらないといけない当たり前の部分がそれぞれあって、自分はCBだからコーチングするし、当たり前とはそういう部分。これからもそこを意識してやっていきたい」と力を込めた。

練習では左膝のけがで離脱していたDF中山雄太(21)が部分的に練習復帰し、今季2度目の脳振とうで長期離脱を強いられているGK中村航輔(23)もボールを使った練習を開始。明確な復帰時期は未定だが、チームの力になろうと懸命に調整に励んでいる。中山は「誰がいようがいまいが変わらないのがいいチーム。早く復帰したい気持ちはあるが、まだまだ始まっただけ。しっかりと地に足を着けてやっていきたい」と冷静に話した。今季も残り7試合。それぞれが力を発揮し、一致団結して残留をつかみとる。