前節は首位の松本山雅FCがロアッソ熊本に勝った一方、台風12号の影響で1試合消化の少ない2位のFC町田ゼルビアがホームで徳島ヴォルティスと引き分け、両チームの勝ち点差は3に広がった。3位の大分トリニータがレノファ山口FCに勝ち町田との勝ち点差は1、4位の横浜FCがジェフユナイテッド千葉に勝って大分との勝ち点差は1、5位大宮アルディージャと6位の東京ヴェルディ、7位アビスパ福岡が、横浜FCと2差の勝ち点差57で並び、J1昇格争いは過熱する一方だ。

その中、今節を前にJ2で大きなニュースが2つあった。Jリーグが27日に19年のJ1とJ2の参加資格となるクラブライセンスの判定結果を発表し、11位の水戸ホーリーホックに、昇格の順位要件を満たせば予定される茨城・笠松運動公園陸上競技場の改修を前提として、初めてJ1ライセンスが交付されることが決まった。

さらに28日には、IT大手、サイバーエージェントが町田の経営権取得に動いていることが判明。同社関係者も「検討は事実」と認めた。町田は、ホームの町田市立陸上競技場の収容人数が1万328人で、1万5000席以上に設定されている基準に満たない上、練習施設も基準に達せず、J1ライセンスが交付されなかった。ただ、ホームタウンの町田市は、同競技場の観戦席を5000席増設する工事を19年に着工する予定で動いている。その上、サイバーエージェントが経営権取得に動いていることで、クラブハウスや天然芝の練習場といった練習施設の確保など、20年のJ1ライセンス取得に向けた動きが加速する可能性が出てきた。

町田は今季、J1自動昇格圏内の2位以上を確保しても18年の昇格はかなわないが、結果を出してピッチ外の大きな動きに弾みをつけたいところだ。今節は勝ち点26で最下位のカマタマーレ讃岐とアウェーで対戦する。讃岐とはJFL時代も含めて公式戦で9回戦い、16年10月30日にホームで行われたJ2リーグ戦に0-1で敗れた1敗しかしておらず、5月13日のホーム戦でも3-0で快勝した。

水戸はホームで大分と対戦する。水戸は前節、ホームでアルビレックス新潟に0-1で敗れたが、それまで5戦無敗と終盤にきて好調を維持。特に1日の松本戦(ホーム)は1-1、9日の町田戦(アウェー)は0-0、16日の横浜FC戦(アウェー)は2-1と、上位陣相手に互角の戦いを展開していた。大分には3月21日のアウェー戦は1-3で敗れたが、それまでリーグ戦では4勝3分けと“お得意様”にしてきた。J1クラブライセンスの交付が決まり、最初の試合がホーム戦、しかもホームでは1-0で勝った8月18日の千葉戦の後、1分け1敗と勝てていないだけに、約1カ月ぶりの勝利を決めたいところだ。

松本はアウェーで9位のモンテディオ山形と対戦。リーグ戦は2連敗中で、近年の白星は17年5月17日に1-0で勝ったホーム戦のみで、16年以降同戦を挟み2連敗を2度と、1勝4敗と苦戦している。14、15年に行われたリーグ戦4試合も全て引き分けという難敵を相手に、反町康治監督は、どう采配するか?