アルビレックス新潟は第36節ホーム・カマタマーレ讃岐戦を翌日に控えた5日、クラブハウスに隣接するピッチで練習した。約1時間の軽い調整だったが、MF加藤大(27)は勝利への使命感に誰よりも燃えていた。MFカウエ(29)と先発でボランチを組んだ第32節岐阜戦以降は4連勝。「勝ちを重ねたい」と連勝を積み上げる決意だった。

短い練習時間に集中した。ホーム讃岐戦に向けた前日練習は、攻撃の確認をメインに繰り広げた。MF加藤が担うボランチを起点に、ボールを両サイドに動かしながらクロスからのシュート。攻撃のベースを請け負ったのがボランチだった。「ボールを保持して、うまく動かしていきたい」と加藤は言った。

J2大宮から8月に期限付き移籍したMFカウエと、ダブルボランチを先発で組んだ第32節岐阜戦から、負け知らずだ。「空中戦も戦ってくれるから、周りは助けられている」と加藤は言う。攻守の役割を、状況に応じて分担するバランスを2人の間に取れている。「今の働きを最低限やって、チームがうまく回るようにしたい」。

前節のアウェー岡山戦では、前半3分の先制点をアシストした。右CKをDF広瀬健太(26)の頭に合わせた。セットプレーを受け持つ左足の「照準計」は焦点がぴたり。得点にからんだ加藤は、こう話した。「相手より速い攻守の切り替え。球際で負けない。運動量で上回る。チームとしてやらなければならないことをやってこそ、個の部分が生きる」。個人よりチームを、100%優先させていた。

加藤は8月11日の第28節栃木戦から3節連続でリーグ戦不出場だった。左手甲を骨折していた苦しい時期で、チームも連敗の苦しい状態に陥っていた。故障が癒えて途中出場した9月1日の第31節愛媛戦は0-0のドロー。勝ち点を7節ぶりに獲得した。先発復帰した第32節岐阜戦以降は連勝街道ばく進中だ。「リーグ戦の負けが17(12勝6分け)。勝敗がイーブンか、勝ち越すようにやっていきたい」。加藤はリーグ残り7試合を、1つも落とさない覚悟だ。【涌井幹雄】