なかなかいい形で相手ゴールに迫れず、スコアレスドローに終わった町田ゼルビアの相馬直樹監督(47)は「前半からセカンドボールが拾えず苦しい展開でした。ただ、暑さも残る中で選手はよく気持ちを切らさずに最後まで戦ったと思います」とコメント。勝ち点1に終わったものの、悲観的な口調ではなかった。

後半の終盤に山形ゴールに迫り、左サイドから効果的なクロスを上げ、味方が飛び込むシーンが連続したが、結局ゴールは割れなかった。首位大分が勝ち点66、得失点差で2位につける松本山雅も勝ち点66。町田は勝ち点62も、消化試合が両チームよりも2試合少なく、まだまだチャンスは残されている。町田はJ1ライセンスが付与されず、今季は3位から6位に与えられるプレーオフ出場権もなく、また、たとえ自動昇格圏内の2位以内で今季を終了しても、今季のJ1昇格はない。それでも、相馬監督の残り試合への思いは強い。

5563人を集客した町田市立陸上競技場では、先日1日に実質的な町田ゼルビアの経営権取得を表明したIT大手サイバーエージェントの藤田晋社長(45)が試合後にピッチに姿を現した。表明後初のホーム試合観戦を終え、サポーターにあいさつした。藤田社長は「サイバーエージェントグループとして町田ゼルビアを全力でバックアップしていきます。今日から、サポーターとして応援していきます。よろしくお願いします」とあいさつして、大歓声のサポーターに頭を下げた。

このやりとりを聞いた相馬監督は「クラブの人間として、とてもうれしいですし、頼もしい限りです。私たちはいかにピッチに集中するか、残り試合に全力を傾けたいです」とし、勝ち点3を奪えなかった悔しさをにじませながら、強力な助っ人の登場にも冷静に反応していた。