悲願のアジア初制覇を狙う鹿島アントラーズが、初進出した決勝の第1戦でペルセポリスをホームに迎え撃ち2-0で先勝した。

序盤にチャンスをつくったのはアウェーのペルセポリスだった。前半4分、相手の右クロスが鹿島DF陣の頭を越え、ファーサイドのFWアリプールに届く。目の前にはGKクォン・スンテしかおらず、早くも失点のピンチを迎えたかに見えたが、胸トラップしている間に鹿島DFチョン・スンヒョンが詰めた。タイミング良く滑り込み、顔面でブロックして危機を切り抜けた。

2分後にはペルセポリスの直接FKに襲われた。左サイドからMFヌーロラヒが蹴ったボールが直接ゴールに向かったが、クロスバーぎりぎりのところでGKクォンが、はじき出した。11分にはMF安部が早くもイエローカードをもらう。ハーフライン付近で突破を許し、GKと1対1になりそうになった相手選手のユニホームを背中から意図的に引っ張って倒したが、失点だけは防いだ。

22分にはハプニングも起きた。バックスタンド側から侵入者がピッチへ乱入。イラン国旗を掲げ、運営スタッフに捕まるまで走り回った。同じく乱入者が現れた今夏のW杯ロシア大会決勝のような光景が、アジアの決勝でも…。すぐ“御用”となり試合は再開されたものの、これにはFW鈴木も相手DFハリルザデと苦笑いし合うしかなかった。

押されていた鹿島だが、ホームの大声援の後押しを受け、反撃に出る。31分、MF土居が中央からスルーパスを出し、FWセルジーニョが抜ける。GK正面から右足でシュートを放ったが、背後から滑り込んできたDFにクリアされた。42分には右クロスに安部が頭を合わせる。DFには競り勝ったが、シュートはゴール右に外れた。このまま前半は終了し、0-0で折り返した。

後半は鹿島が最初に絶好機を演出した。3分、安部が左サイドで1人かわしたのをスイッチに、一挙に攻め立てる。中央から土居、西を経由し、中央のセルジーニョが後方に落とす。ここに走り込んだMFレオ・シルバが右足を合わせた。崩しは良かったが、ゴール上に浮かしてしまい、得点にはならなかった。

そのレオ・シルバが今度は均衡を破った。13分、自ら起点となるパスを出して前線へ走り込み、土居とのワンツーでゴール正面へ。1人かわして左足で放ったシュートが、続くDFの股下を通ってゴール左隅にグラウンダーで飛び込んだ。待望の先制点。是が非でも欲しい先勝へ鹿島が、まず1点をリードした。

25分には貴重すぎる追加点を奪った。セットプレーのはね返りに反応したMF三竿が、中央から右前方へ浮き球で送る。ここに走ったセルジーニョが左足ボレーで合わせ、ゴール右へ。リードを2点に広げた。日本勢では09年のG大阪レアンドロ以来となるセルジーニョのACL5戦連発で、イラン2連覇王者を突き放した。

その後はMF永木、FW金森を投入した堅実に逃げ切った鹿島が、アウェーゴールも許さず2-0。10日に敵地で行われる第2戦へ理想通りの先勝を収めた。