川崎フロンターレが柏レイソルに快勝し、連覇に王手をかけた。

後半44分、MF阿部浩之(29)がFW知念慶(23)のシュートのこぼれ球を押し込みダメ押し点。知念と阿部が互いに「ありがとう」と言い合うゴールになった。

知念は後半31分、負傷退場した小林と交代しピッチに入った。2ー0で迎えた後半44分。DF登里享平(27)の縦パスをゴール前で受けると、トラップしシュート。相手GKにはじかれたが、つめていた阿部がループで浮かしネットを揺らした。

知念は「登君(登里)とからめっちゃ良いパスがきた。ターンをミスして、シュートコースが狭くなってしまって…。無理してひねって打ったせいで甘いコースにいってしまった。阿部ちゃんが詰めていなかったら、自分は単に外した人になっていたので(笑い)。阿部ちゃんにありがとうと言いました」と笑わせた。

当の阿部は「知念に感謝したいですよ。あんなおいしいボールを転がしてくれるんだもん」とサラリ。報道陣から「難しいシュートだったと思いますが」と問われると「(相手GKと)1対1でしょ。簡単でしょ」と阿部節を炸裂させた。

10月24日、天皇杯・山形戦で3失点し敗退した。柏は山形と同じ守備的な3バックで挑んできた。柏の3バックを想定していたチームは、この1週間、しっかり3バックの対策は準備してきた。激しい球際と速い攻守の切り換えを徹底させ、裏へのランニング、速いテンポのパス回しで相手守備ブロックを崩した。

阿部は「同じことは2度としないチーム。みんなで修正した。そこの修正力は良くなってきていると思うし、まだまだ伸びる。相手に左右されず、自分たちの戦いをしながら対応できたのは大きい。3バック相手にしたときのなかで一番手応えがあった」と胸を張った。鬼木達監督は「状況を見ながら大人のサッカーができた。必ず走りきろうという中で、走り切れた。自分たちが走っている試合はすべて勝ってきている。そういう姿を見せようと送り出して、やりきってくれた」と選手を称えた。