川崎フロンターレが王者の意地をみせた。ロスタイムの劇的勝利。ジュビロ磐田にとっては悲劇だが、この1点でリーグ最多得点(57得点)とし、最少失点(27失点)との「完全V」達成。11月10日に優勝を決めてから、初の本拠地で有終の美を飾った。

後半33分、今夏に移籍していったFW大久保に決められた。MF中村は「持ってるなと。そこでもってかれないで、逆転してやるという気持ちは自分の中にあった。嘉人には負けたくなかったし」。直後にセットプレーから同点に追いつく。引き分けで残留が決まる相手は、徹底して引き、守りに入ったが、自慢の攻撃力で崩しきった。中村は「なりふり構わず守る相手を逆転するのは簡単ではない。その中で崩せたことは評価していい。勝って何より」と笑みをこぼした。

優勝を決めてからFC東京戦、磐田戦と連勝締め。この2試合は20歳のMF田中、23歳のFW知念と若手が躍動した。38歳の中村は「この2試合は、来年に向けて実りあるものになった。楽しみ」と3連覇に照準を合わせた。【岩田千代巳】