サッカー高円宮杯全日本ユースU-15(15歳以下)選手権が今日22日、群馬県前橋市と大阪府堺市で開幕する。ジュビロ磐田U-15(東海第1代表)は、積み上げてきた「総合力」を武器に、昨年の成績を超える8強以上を目指して出陣する。

磐田U-15にとって、現メンバーで臨む最後の大会が始まる。DF小林亮太主将(3年)は「モチベーションも高まっている。昨年の8強を超えて優勝したい」と意気込みを語った。

1歩ずつ、成長してきた。現3年生には、年代別日本代表選手は1人もいない。1年時は街クラブにも敗れる「弱い」チームから始まった。それでも小林主将は「誰か1人ではなく、全員で指摘しあえる」と強調。「1+1=3」を合言葉に進化。個の力で劣る“穴”を全員で埋めてきた。

最終学年の今季、日本クラブユース選手権東海大会を初制覇。東海リーグでも初優勝を果たし、東海王者として今大会に臨む。半場康好監督(46)も「2年前は、想像できなかった」と成長に目を細める。

FW辻颯人(3年)らU-18に昇格する5人が攻守の軸となる。夏以降は「攻守の切り替え」をテーマに、チームをさらに強化。9日に行った浦和ジュニアユースとの練習試合も2-1で勝利した。小林主将は「2点目は奪ってからのショートカウンターだった。やってきた形で取れたと思う」と手応えを口にする。

今月8日にトップチームのJ1残留、9日にはU-18の高円宮杯プレミアリーグ残留を会場で見届けた。指揮官は「次は自分たちの番だぞ」と呼びかけた。初戦はFC古河(関東第7代表・茨城)と対戦。1度も対戦経験のない未知の相手だが、辻は「やってきたことを出せば勝てる。1つでも上のステージに行きたい」と言った。“雑草軍団”が3年間の集大成を見せつける。【前田和哉】