【チェンマイ(タイ)14日=保坂果那】コンサドーレ札幌ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)が、今季も攻撃的サッカーを続行することを改めて宣言した。今季加入した8人(新加入7人、復帰1人)のうちDFは下部組織から昇格した中村桐耶(18)のみと、補強も攻撃面を重視。この日、チェンマイ入りすると早速ゴール前の戦術練習を行い、初日から攻めの意識を持たせた。

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キャンプ初日からペトロビッチ監督は“攻めた”。飛行機移動による疲れを考慮しつつ、タッチ数を1回に制限したボール回し後には、さっそくゴール前でパスからシュートまでの流れを確認させた。四方田ヘッドコーチ指導のもと、新顔たちが「ミシャ流」の入門をスムーズにできるよう取り組ませた。当初、軽く体を動かす程度の予定だった新チーム初の全体練習は1時間を超え、選手の額には汗が浮かんでいた。「キャンプがハードなのはノーマル」と、序の口と言わんばかりだった。

昨季から新しく8人が加わった。FW3人、MF4人、DF1人。昨季は得点、失点ともに48点で得失点差0だった。それだけに「守備的な選手を補強しないといけない」という、周囲の考え方も理解する。だが、攻撃的サッカーを掲げる指揮官の考えは違う。「我々は後ろの選手たちにも攻撃的なものを求める。と言うことは守ることより、より得点を取ることに比重を置かなくては。冗談半分ですけどね」と笑い、「我々のサッカーに合うだろうという選手を獲得した」と、新チームで自身の理想に向けて磨きがかかると信じている。

そんな「ミシャ流」の中心選手への成長が期待される青森山田MF檀崎がこの日、高校選手権の決勝で決定力を見せ、2ゴールを決めた。高校生日本一を手にしたストライカーの活躍に「彼は非常に才能がある」と、チーム合流を心待ちにしていた。

「今年は、より全ての分野においてベターを求める」と宣言。クラブ史上J1最高4位だった昨季チームを自ら超えるための戦いは、タイの地からスタートした。攻撃の核となるFW鈴木は、新チームでの初練習を終え「楽しかった」と充実した表情を浮かべ、「まだ体が重いけど、これから頑張りたい」と士気を上げていた。

◆チェンマイ タイ北部にある同国の県の1つで、県庁所在地も同名。ランナー王国の首都として1200年代から発展し、王国廃止後も北部の中心になっている。県庁所在地は首都バンコクに次ぐ第2の都市(人口30万人弱)。同国最高峰インタノン山(標高2575メートル)がある高地で1、2月は降雨が月1、2日、平均最高気温が30度、同最低気温が15度前後としのぎやすい。サッカーでは、タイリーグ1部のチェンマイFCのホーム。