J1昇格を目指す山形のFW争いが激化している。昨季12ゴールでチーム得点王の小林成豪(25)が大分に移籍。リーグ戦9得点、天皇杯でJ1勢から3戦連発の阪野豊史(28)が1歩リードする中、水戸で11得点のジェフェルソン・バイアーノ(23)とともに神戸から新加入の大槻周平(29)が、「レジェンド効果」での大暴れを誓った。

神戸ではMFイニエスタ(34)、FWポドルスキ(33)の「すごみ」を体感。世界最高峰とのプレーは、かけがえのない時間だった。「あの素晴らしい経験を山形で生かしたい」。イニエスタについては「動きに無駄がなくポジショニングも素晴らしい。ラストパスの精度もすごかった」と感嘆するしかなかった。そして意識の高さにも驚かされた。「世界で沢山タイトルを獲得しているのに、Jリーグでも本気で優勝を目指す姿勢がすごかった」。

同じレフティーのポドルスキーからは「誰に何と言われようと気にせず、自分の要求を通す」とFWの極意を学んだ。新加入でも、遠慮はない。「FWはパスが来なければ始まらない。どんどんコミュニケーションとっていきたい」と話す。そして「絶対にJ1昇格して、対戦したい」と師匠たちとの再会を実現する。

前線からの激しいプレスと泥臭くゴールを狙うプレースタイルは、幼い頃から中山雅史(51=沼津)に憧れ染みついた。激しいレギュラー争いも望むところだ。「競争でチームは強くなる。11人だけでなく全員で戦わないと昇格はできない」と貪欲にゴールを狙い続ける。【野上伸悟】