浦和レッズが、メンタル強靱(きょうじん)化に着手していた。開幕仙台戦に向け、非公開練習を終えた槙野が充実の表情で明かす。

「今季は、失点後に崩れる部分を改善していきたい。手堅さ、我慢強さが課題というメンタルトレーナーのデータがあるので」。そう指摘したのが「原田教育研究所」。エンゼルス大谷の大成を手助けしたメンタル向上のスペシャリスト集団だ。

代表の原田隆史氏(教育者)が、柴山健太郎氏との共著「一流の達成力」に書いた目標達成ツールが「オープンウインドウ64」。夢への道筋を明確にするもので、大谷は岩手・花巻東高1年時から実践し、3年時に高校生史上最速の160キロをマークした一因と言われている。同校出身のマリナーズ菊池雄星も「原田隆史の成功塾」を愛読する。

そのメソッドを赤い悪魔も採り入れる。強化部の発案で今季から契約。1月20日を皮切りに、沖縄合宿を含め3度のアンケートや個人面談を受けた。槙野は「言われて気付くことが多かった。失点した後にメンタルが落ち、15分以内に再び失点したり」。確かに昨季のリーグ戦で複数失点した10試合のうち3試合が同ケースに当てはまっていた。

さらに深刻なのが逆転負けだ。前年、ひっくり返された試合は4試合。横浜の7試合に次ぐワースト2位タイだった。前回リーグ優勝した06年は先制すれば20勝2分けの無敗。「己を知る」きっかけになるメソッドが精神と成績の安定をもたらせば、再現も見えてくる。シーズン中も定期的に受講する予定。目標の13年ぶりリーグ制覇と2年ぶりアジア王者へ、浦和が勝負弱いと言われてきた歴史に終止符を打つ。【木下淳】