京都サンガFCの大卒新人トリオが開幕戦で先発を飾った。

新潟との開幕戦で関学大卒のMF中野克哉(22)、早大卒のDF冨田康平(22)、明大卒のDF上夷(うええびす)克典(22)がそろって開幕のピッチに立った。昨季の大学時代に特別指定選手として既にデビューしていた冨田を除き、2人はプロデビュー戦だったが、臆することなくプレーした。

右FWで出場した中野は何度も好機を演出。前半19分、右サイドから中央のMF仙頭へパス。仙頭がターンして左足シュートを放ったが枠外にはずれた。同33分には相手DF2人をはがすドリブルを見せ、カットインで突破。その1分後には、ワンツーで抜け出して左足シュートを放つなど、デビュー戦にもかかわらず相手の脅威となる存在感を示した。

「緊張はあったけど、徐々に自分のプレーを出せた。最後の(シュートの)質は改善しないといけないけど、ネガティブになりすぎないようにしたい」

この日はボールを保持して、遅攻でチャンスをうかがった。だが、なかなか崩しきれず無得点。中野は「ボールに関わる回数をもっと増やしていきたい。ブロックされる中で崩すのは難しくなるけど、そこを崩しきるのが今年目指すサッカー。練習で突き詰めていかないと」。パスをつないで前線に上がるだけではなく、速いテンポでサイドを変えるなど、攻撃の種類を増やすことが必要となる。大卒新人の背番号29は「そこは要求しながら。1発で仕掛けることもできるので」と、改善点を挙げた。

地元の京都橘高出身で全国高校選手権には3大会連続で出場。1年から主力で、この日一緒にピッチに立った先輩のMF仙頭、小屋松と準優勝(12年度)も経験した。橘3兄弟の“末っ子”は「3人同時に出られて良かった」と笑顔。この日は右に中野、左に小屋松、中盤に仙頭が入ってプレー。中野は「(仙頭)啓矢君がどういうプレーをしたいかというのも分かったし、啓矢君も分かってくれていた。これから質を上げていかないと」。高校時代から培われた連係をさらに高め、京都の屋台骨として攻撃を支えていく。【小杉舞】