アルビレックス新潟は柏レイソルに0-1で敗れ、今季初黒星を喫した。J1時代の09年の第2節鹿島アントラーズ戦(2-1)以来のホーム開幕戦勝利を狙ったが、1歩及ばなかった。

0-0の後半28分、柏のFWオルンガ(24)に決められた1点を返すことができなかった。ただ、昨季J1相手に演じた接戦に、2万人を超えるサポーターからは拍手が送られた。

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新潟のメンバーを包んだのは、サポーターの激励だった。試合後、やや肩を落としながら観客席にあいさつをする選手に、大きな「アルビレックス」コールが送られた。

これでホーム開幕戦は10戦未勝利。前節のアウェーでの千葉戦(3日)で4-1と快勝して迎えたホーム初戦。期待は高まっていた。結果はそれに応えるものではなかったが、最後までアグレッシブに戦った姿は訴えるものがあった。

MF加藤大主将(27)は言う。「勝ち点1、勝ち点3を取れる試合だった」。後半28分、左サイドに攻め込んだ相手のクロスのクリアミスを、柏のオルンガに押し込まれた。この1点がすべてだった。

それまでは押し込まれながらも冷静にしのいでいた。「あそこだけみんな足が止まってしまった」と加藤。再三のファインセーブでゴールマウスを死守していたGK大谷幸輝(29)は「止められたシュート。ああいう時のポジショニングは練習からしていた」と失点を悔やんだ。

紙一重だった。攻撃はチャンスをつかんでいた。前半3分、裏に抜けたMFカウエ(29)が正面からループ気味のシュート。後半4分にはスローインのこぼれ球をMF戸嶋祥郎(23)が右足で狙った。相手の隙を突く形はできていた。だが、逆にわずかなほころびからゴールに結び付けられた。「選手は最後まで勝ち点を取りに行く戦いをしてくれた」。奮闘をねぎらった片渕浩一郎監督(43)は「崩されたわけではないが一瞬の隙、1つのミスが勝敗を分ける」と話した。地力のある相手から勝ち点を奪う難しさを実感した。

ただ、J1クラスのチームと同等の試合をしたことも確か。「精神的なダメージはない。次に向けてやってきたことを続ける」と大谷。J1昇格に必要な要素を体感した一戦になった。【斎藤慎一郎】