ベガルタ仙台は被災地に喜びを届けたかったが、かなわなかった。ともに大きな地震災害を経験したヴィッセル神戸との一戦は、11年の東日本大震災から8年となる11日を前に「復興応援試合」として開催された。前半に本拠地デビューを果たした新加入DFシマオ・マテの移籍後初ゴールで先制したが、ビジャ、イニエスタ、ポドルスキの豪華トリオのスピードに翻弄(ほんろう)され、突き放された。

右ウイングバックで先発出場したMF蜂須賀は、仙台大2年時の練習試合中に被災。その後、さまざまな思いを胸に仙台入りしただけに試合にかける思いも強かった。「被災地に元気を届ける気持ちが足りなかった。システムとかではなく、プレーにより気持ちを込めないとどんな相手にも勝てない。たくさんの人が来てくれたが、ふがいない試合をしてしまい悔しい」と悔しさをにじませていた。