J1から降格したチーム同士の対決で、アウェーのV・ファーレン長崎が柏レイソルに完敗した。

試合の入りが悪く、あっさり先制されたのは前半9分。自軍の右サイドから柏MF瀬川に無回転の右足ミドルを打たれ、GK徳重ははじくので精いっぱい。こぼれ球を拾ったDF古賀に1人かわされ、右足でゴールに突き刺された。

17分には連係ミスから2失点目。センターサークル付近から出た長いパスに対し、角田、イ・サンミンのセンターバックがGK徳重とお見合い。相手FWオルンガにかっさらわれ、左足で無人のゴールに決められた。40分には再びオルンガ。自陣左からのCKに頭を合わされ、痛恨の3失点目で万事休した。

手倉森誠監督(51)は後半6分、MF沢田とFW長谷川、MF吉岡とMF大竹を代えて勝負に出る。陣形を4-4-2から4-3-3に変えて徐々に押し返せるようになると、前半は0本だったシュートが後半6本に。元日本代表FW玉田のドリブル、同MF磯村のミドルシュートなどで打開を図った。それでも最後までゴールは割れず、今季5度目の無得点となった。

対して、3点を献上した柏に浴びたシュートは実に29本。手倉森監督も試合後の会見で「序盤から勢いに翻弄(ほんろう)されて0-3。頭をトンカチで殴られたような負け。受け止めなければいけない」と完敗を認めた。

ただ、すぐに「悔しいけど、自分の中ではスッキリした敗戦」と言葉を続け「テンポ、テンション、スピード、パワー、クオリティー。我々が示さなければいけないものを柏に見せつけられ、教えてもらった。思い知られたことを自分たちもやっていきたい」と切り替えた。

昇格を争うライバルとの対決、ヴァンフォーレ甲府戦(0-2)と大宮アルディージャ戦(0-1)も序盤にリズムをつかまれた。「昇格しなければならないプレッシャーの中、まだ試合に慎重に入りすぎる癖がある」と敗因に触れつつ、一方で4-4-2と4-3-3のシステム併用については「モノになっていきそうな手応えはあった」と強調。「後半、グループの可能性はものすごく感じた」と言い「今日をきっかけにしないといけない。仕掛けていく。今に見てろ、という思いです」と前を向いていた。

次節は7日。元日本サッカー協会技術委員長の霜田正浩監督が率いるレノファ山口をホームに迎え撃つ。