横浜FCのFWカズ(三浦知良、52)がアビスパ福岡戦に先発出場し、自身が持つJリーグの最年長出場記録を52歳1カ月12日に更新した。U-20日本代表候補の17歳MF斉藤光毅も初先発し、35歳差が前線で共闘。カズはシュート0本で0-0の後半7分に交代したが、チームは斉藤が獲得したPKをFWイバが決め、1-1で引き分けた。

3月23日の岐阜戦以来、1トップで今季2度目の先発に入ったカズが、10代の新星と超世代共闘を果たした。2列目に17歳のMF斉藤、ボランチに元日本代表FW安永聡太郎氏を父に持つ18歳のMF安永玲央が初先発。試合前には「グラウンドに出たら年齢は関係ない。堂々とやってほしい」と、自身の長男より年下の後輩をリラックスさせた。斉藤は後半34分、PKを獲得し、チームの勝ち点1に貢献。カズは「2人とも堂々と思い切ったプレーをしてくれた」と賛辞を贈ると、2人は「のびのびプレーできてすごく感謝しています」と口をそろえた。

衰え知らずのスプリント力も発揮した。前半42分のカウンターではゴール前へ45メートルの全力疾走。MFレアンドロ・ドミンゲスのスルーパスは惜しくも相手DFにカットされたが、通っていればGKと1対1になるチャンスだった。「あと1歩でしたね。体で感じているコンディションは2週間前より良かった気がします。最低限、勝機を残しての交代はできたかな」と振り返った。

イスラエルでは73歳のGKが同国4部リーグでフル出場し話題になった。カズも最年長記録が注目される立場だが「重みは一緒だと思いますが、僕はあくまでもJ2の記録。決してトップの記録ではない。あまり(記録を)重要視していない」と話す。「自分は先発で90分出たいというつもりで練習している。自分がどういう気持ちでこの情熱をサッカーに向けてやっているかが重要」と言葉を続けた。52歳にしてなお、情熱がみなぎっている。【岩田千代巳】