J2アルビレックス新潟は11日、クラブハウスの隣接ピッチで非公開練習した。集中した環境の中で、首位モンテディオ山形とのホーム戦(13日・デンカS)に備えた。片渕浩一郎監督(43)はゲームのキーポイントにセットプレーを挙げただけに、CKでは攻守に顔を出すセンターバックのDF大武峻(26)の働きが、カギを握る。

守備の集中度が、首位・山形を迎え撃つ次節で試される。非公開練習終了の約3時間後、ようやくクラブハウスから帰途についたDF大武は「相手は守備の堅いチーム。失点をOにしながら、試合を進めたい」と言った。体の入念なケアを行い、次節の準備は万全。「試合の入り。得点した後の5分間は特に集中しなければならない」と話した。

片渕監督は「山形は半数の得点をセットプレー、そこからのこぼれ球から取っている。(自陣で)不用意なファウルを与えないこと」と言った。だからこそ、CKなどに攻守で関わる大武の真価が問われる。「CKはお互いの強み。取るか取られるか。自分は周りが得点できるようにサポートしたい」と大武は言う。しかも山形は、前からプレスをかければロングボールで対応。引いて守ればショートパスでつないでくる。状況によって変わる相手の戦術に、大武は臨機応変に対応するつもりだ。

今季は開幕から8試合連続で先発フル出場している。3-3のドローで終わった前節の岡山戦ではJ初ゴールを決めた。J1名古屋に特別指定で在籍していた14年の3月1日の清水戦でJデビューを果たして以来、J1、J2の舞台で6シーズン目の初得点だ。ところが、ペナルティーエリア内のファウルでPKを与え、失点の要因も作ってしまった。「個の対応はしっかりやりたい」。大武は自分に言い聞かせるように話した。【涌井幹雄】