ジェフ千葉レディースがマイナビベガルタ仙台レディースを1-0で下し、11年の東日本大震災以降、初開催となったJヴィレッジスタジアムでの、なでしこリーグ公式戦を白星で飾った。

前半をスコアレスで折り返し、迎えた後半24分。中盤でMF鴨川実歩が相手のパスをカットすると、前に出ていたGK池尻凪沙のポジションを見逃さず、右足を振り抜いた。ボールは池尻の手をかすめてネットに突き刺さり、これが決勝点となった。

鴨川は「ファーストタッチで前に出て、いけると思って気づいたらもう足を振り抜いていました」と値千金のゴールを喜んだ。この日は千葉の親会社である「JR東日本マッチデー」で、試合はホーム扱い。

同日にはJR常磐線「Jヴィレッジ駅」も開業しており、勝利で花を添えた。加えてJヴィレッジの全面営業再開日でもあり、会場では日本サッカー協会の田嶋幸三会長や、プレナスなでしこリーグの馬渕明子理事長、なでしこジャパンの高倉麻子監督ら多くの関係者が試合を見守った。

千葉レディースの藤井奈々監督は「見に来てくれたみなさんに千葉はいいチームだと思われるように一丸となってやろうという中で勝ててよかった。この勝ちは大きいです」と振り返った。

フル出場して完封勝利に貢献したJFAアカデミー福島出身のDF若林美里は「勝ちたいと強く思っていた試合。福島でお世話になったみなさんへの感謝の気持ちを形にしたいと思っていたのでよかった」と笑顔をみせた。前日に福島入りした際には、慣れ親しんだJヴィレッジ周辺をジョギングしたといい「どこを通ってもいろんな思い出が出てきて、つい最近のように思い出せました」。

同地でなでしこリーグの公式戦が行われるのは東日本大震災前の10年10月24日の東京電力-浦和レディース戦以来、約9年ぶり。「Jヴィレッジはあの時のままの状態になっているけど、震災後に大変な状態だったのも知っています。復興は多くの方のサポートがあってこそ。ここからまた選手、地元、協会と全体で福島を盛り上げていきたい」と力を込めた。