浦和レッズFW興梠慎三(32)が、平成最後のゴールでレジェンドに肩を並べる。

27日、さいたま市内で非公開調整。J1の平成最終節で最も遅い28日午後4時に始まるアウェー清水戦(アイスタ)に向けて攻略法を確かめた。20日のリーグ神戸戦、24日のACL全北戦と2戦連発中で「個人的には調子がいい。流れの中で決めたいね」と目を細めた。

キングの背中が見えている。前節、J1通算ゴール数を138に伸ばし、追いつき追い越したい「スーパースター」と尊敬するカズ(横浜FC)の139点に王手をかけた。追いつくだけでなく2点目まで奪えれば、福田正博氏が持つ浦和のJ1個人最多91得点に到達(興梠は現在89点)。クラブと日本のレジェンドを富士山のふもとで、追う。

守備に走る時間が長い今季は不完全燃焼の思いが強い。「たまには前半だけで2-0、3-0という試合を見せないと、応援してくれる方もつらい」。大量得点へ清水は絶好の相手だ。17年5月の対戦ではハットトリック、18年4月には2得点。興梠が浦和入りした13年から10戦8発と相性抜群で、カズと福田氏を一気に抜き去る期待が膨らむ。

機運も高まった。Jリーグが26日に発表した「平成最ゴール」の1万回シミュレーション予想で、決める確率ランキング2位に選ばれた。「1位は?」と質問して清水FW北川と聞くと「どっちでもいいわ」と笑い飛ばしたが、注目を浴びる一戦で「とにかく点を取りたいし、勝ちたい」。伝説に名を刻むゴールで平成を締めくくる。【木下淳】