ベガルタ仙台がガンバ大阪を逆転で下し、3戦ぶりの勝利で順位を16位に上げた。

0-1の前半ロスタイム、DF永戸勝也(24)がプロ初ゴール。チームにとってリーグ戦では2年ぶりのペナルティーエリア(PA)外からのミドル弾で勢いづくと、後半ロスタイムにはFW長沢駿(30)のリーグ戦移籍初ゴールで勝ち越し。平成最後のゲームを白星で飾り、令和の反転攻勢へと弾みをつけた。

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ともに土壇場での執念が、勝利の女神を振り向かせた。前半ロスタイム1分、永戸がPA外から、利き足でない右足を振り抜いた。ボールはDF三浦の体に当たってコースが変わり、ゴール右隅へ。日本代表のGK東口も反応できなかった。昨年はJ1で唯一、PA外からのゴールがなかっただけに、値千金の同点ミドル弾にホームが沸いた。

永戸はリーグ51戦目、ルヴァン杯と天皇杯も含めれば64戦目でのプロ初ゴール。2年目のジンクスとなった昨季は武器の左足を封じ込まれて苦しんだが、今季は違う。

永戸 右足のシュートや中に入ってのプレーを練習で積んできた。右でも左でも点を取れるところを見せることができて次からやりやすくなる。狙っていたので入って良かった。

後半ロスタイム1分には、同37分から途中投入された長沢が好調ぶりを発揮した。右サイドのMF石原崇のクロスに泥臭く反応。最後のワンプレーで体勢を崩しながら、右足を投げ出し試合を決めた。ルヴァン杯では3戦連続ゴールを決めており、リーグ戦の移籍初ゴールは古巣から奪った。

長沢 きれいなゴールじゃなかったけど、リーグ初がガンバ戦で運命を感じる。ワンチャンスあると思っていたので、集中して逃さないように意識した。

ルヴァン杯こそ4戦無敗でグループリーグ突破を決めたが、リーグ戦は試合前まで1勝1分け6敗のブービー17位に沈んでいた。終了の瞬間、指揮官は両手で激しくガッツポーズした。

渡辺監督 スタジアムに入る前に、サポーターがバスの入り待ちをしてくれ、素晴らしい雰囲気をつくってくれました。間違いなく彼らの気持ちや選手の勝ちたい思いが1つになって、最後の逆転ゴールにつながった。平成最後のホームでそういうゲームをやれたことはうれしく思います。

12位神戸まで勝ち点3差に接近。降格圏脱出が見えており、きたるべき新時代で巻き返しを図る。【下田雄一】

◆仙台のPA外ゴール リーグ戦では17年11月18日のホーム大宮戦以来526日ぶり。後半12分、三田啓貴(28=現神戸)が決めた。