女王日テレが2点のビハインドをひっくり返す逆転勝ちで浦和を3-2で下し、決勝に駒を進めた。

なでしこジャパンの高倉麻子監督(51)が視察に訪れる中、6月のW杯フランス大会のメンバーから落選したFW宮沢ひなた(19)が後半4分に同点弾。同22分にも同じ落選組のFW田中美南(25)が勝ち越し弾を決め、1年後に迫る東京五輪でのリベンジへ向け、大きくアピールした。決勝は8月3日に日テレ-INAC神戸で行われる。

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日テレが女王の底力を見せつけた。浦和に2点を先行されながらも同点として迎えた後半22分、日本代表DF清水のロングボールに抜け出したFW田中が相手DFを引き連れながらゴール右へドリブル開始。そこから3度の切り返しで相手を揺さぶり、左足で放ったシュートはカバーに入った浦和の日本代表DF南の足を弾いてゴールネットを揺らした。田中は「練習でも取り組んでいる形だったのでよかった。相手に当たりましたけど、コースは見えていました」と笑顔をみせた。

W杯落選の悔しさも力に変えた。このなでしこリーグ杯は、準決勝進出チームを決める1次リーグ全8試合中5試合がW杯期間中に行われた。日テレは9選手がW杯に出場したため、下部組織の中学生選手も加わりながら1次リーグを耐え、田中もその全5試合に主将として出場。代表組不在のチームをけん引して首位での準決勝進出に貢献。W杯期間中に何度も面談するなどコミュニケーションをとってきた永田監督も「ああいったこと(代表落選)があっても自分の中で受け入れて、どうすれば成長できるかを考えてやってきた。すごく伸びていると思うし、そういう期間だったのだと思う」とたたえた。

2点目を同じくW杯落選組のFW宮沢が決めた。MF長谷川、MF籾木ら戻ってきたW杯メンバーとの融合も順調。決勝は2年連続でINAC神戸が相手。田中は「攻撃力がすごいチーム。守備もしながら、1本のチャンスを決めたい」と2連覇を誓った。【松尾幸之介】