サガン鳥栖が敗色濃厚の展開をひっくり返してセレッソ大阪に逆転勝ちした。アウェーでの勝利は5月17日のサンフレッチェ広島戦(1-0)以来で、16位に順位を上げた。

金明輝監督(38)の選手起用がズバズバとはまった。C大阪に圧倒され続け、0-1で迎えた試合終盤。FWフェルナンドトーレス(35)に代わって入ったFW林大地(22)が、Jリーグデビュー戦で大仕事をした。

後半43分のCK。ゴール逆サイドで構えた林にドンピシャのボールがきた。頭で合わせた同点弾。「いいボールくるかなと思っていたが、本当にきた」。流れを一気に覆し、ロスタイム5分のFW豊田陽平(34)の決勝ゴールを呼び込んだ。

大体大在学中の林は、来季の鳥栖入団が内定しており、7日にJリーグ特別指定選手となったばかり。遠征前の前日。「メンバーに入れていただいてチャンスがあるな、と。緊張よりも高ぶり。やってやる覚悟があった」。金明輝監督は「ダイレクトで飛び込んだり、点を取ることにたけている。狙い通り」と期待通りの活躍を絶賛した。

ガンバ大阪のジュニアユースから高校は履正社、そして大体大。生まれ育った大阪で最高の結果を出した。刺激があった。前日10日に鹿島アントラーズFW上田綺世(20)が横浜F・マリノス戦で初ゴールを決めた。今年のユニバーシアード日本代表でともに戦った。

「綺世のゴールを悔しいと思わなかったら選手として終わり。しっかり目に焼き付けた」

その思いを即座に結果に結びつけるのが頼もしい。新世代が残留争いでもがく鳥栖に明るい光をもたらした。