アルビレックス新潟はファジアーノ岡山に0-3で負け、2試合連続無得点で2連敗した。ホームの連勝も「2」でストップした。前半32分にMF仲間隼斗(27)に先制を許し、後半も2点を失った。川崎Fから古巣に完全移籍したDF舞行龍(30)が先発メンバー入りするなど、最終ラインは前節山形戦と2人入れ替り、並びも変更して臨んだが、勝利に結実しなかった。

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鉛を含んだような重い足どりで、新潟の選手たちはスタジアムを一周した。1万4583人を収容したデンカビッグスワンが、歓喜で揺れるシーンを最後まで作れなかった。0-3の敗戦。イエローカードを4枚もらう苦しいゲームを演じてしまった。唯一、試合前にサポーターを喜ばせたのは、DF早川史哉(25)の登録メンバー入り。大卒ルーキー時代の16年4月に急性白血病を発症し、長い闘病生活を経て完全復活した。不屈のディフェンダーがサブメンバーとして紹介されると、サポーターが湧いた。

0-2で完敗した前節の山形戦から先発メンバーが2人入れ替わり、並びも変更されていた。体調不良で前節は不在だったFWレアナルド(22)がトップの定位置に返り咲き。最終ラインのセンターバックはDF大武峻(26)とDF岡本将成(19)のコンビから、岡本に替わって舞行龍が入った。その岡本が右サイトバックにポジションチェンジ。後半は舞行龍が右サイド、岡本がセンターに移るなど、最終ラインは目まぐるしく替わった。後半30分に舞行龍が退くと、MF戸嶋祥郎(23)がボランチから、右サイドバックに。定位置が右だったDF新井直人(22)が左サイドバックに移った。しかし、守備のほころびは、最後までつくろえなかった。

吉永一明監督(51)は話していた。「良かったものを、崩してしまう可能性もある」。そんなリスクを度外視して、新選手の起用とポジション変更で最終ラインを手直した。しかし、解答は引き出せなかった。3失点で“正解”は次節に持ち越しとなった。【涌井幹雄】