J1清水エスパルスの篠田善之監督(48)が、雨にも負けず熱血指導した。

9月1日のホーム鹿島アントラーズ戦(アイスタ、午後6時)に備え、28日は静岡市内で調整。2日間のオフを挟んで再開した練習では時折、声を張り上げながら選手を鼓舞した。「試合をイメージでやれ」「球際厳しく」。雨脚が強まる中でも、ゲーム形式練習を実施。当初予定していたメニューをこなせないほどの悪天候だったが、篠田監督は「雨でもサッカーはやるんで。みんな動きはよかった」と満足げだった。

大敗にもめげず、大胆な采配を見せた。前節川崎F戦は、0-8で惨敗した札幌戦から先発を2人変更。後半途中には、DF鎌田翔雅(30)を投入し、5バックの守備的布陣に切り替えた。指揮官は、「次も(先発を)変える可能性はある」と強調。次戦は2位鹿島が相手。3試合ぶりの完封勝利を目指し、より守備を堅固にする選手起用を示唆した。

失敗を恐れず、チャレンジさせる構えだ。伝統的な勝負強さを誇る鹿島に対し「球際やセカンドボールの攻防で負けてはいけない」。選手を頻繁に変えることは、連係面でのリスクを伴うが、選手間の競争で生まれるチームの活性化を望んでいる。指導の信念も「練習でいい選手を使う」と繰り返してきた。今季も残り10試合。目の前の勝利だけを目指し、ぶれずにチームを束ねていく。【神谷亮磨】