浦和レッズの大槻毅監督(46)が27日、埼玉・大原サッカー場で翌28日のアウェー・サガン鳥栖戦(午後2時、駅スタ)に向けて会見した。

25日の天皇杯4回戦でJFLのホンダFCに0-2で敗戦。連覇と、同大会でのACL出場権獲得を逃し、チームバスがサポーターに詰め寄られた。その際、降車して10分ほど話し合った大槻監督は当時の状況を聞かれ「来季のACLを失った意味を分かっているのか、戦う姿勢が見られない、といったことをメッセージとしていただきました」と説明。「結果に関しては、責任は私にある。申し訳ない気持ちだ。明日からやる、という問題ではない。重く受け止めて昨日(26日のミーティング)選手には、サポーターの皆さんからのメッセージを伝えました」と話した。

具体的には「ボールを取られたら奪い返しにいく。(1対1の)勝ち負けに関係なく体をぶつけ、挑んでいく。1点を取られようが前に出ていく。これまで大きな舞台でスイッチが入ることは選手に何度も見せてもらってきた。ただ(それ以外の)その日1回しかスタジアムに来られない方もいる。常に見せ続けなければいけない。ともにやりましょうと選手には伝えました」と詳細を語った。

これまで2度の途中就任でチームを立て直し「組長」の愛称で高い人気を誇った大槻監督。結果の世界、ACLは4強に勝ち残っている一方で、リーグ戦、ルヴァン杯、天皇杯で現在9試合勝ちなしと苦しんでいる。そして、サポーターから行動を起こされた。

これを受け「行動させてしまったことに対して、非常に申し訳ない。自分としては『ありがたい』と強く思わせてもらった。真剣だからこその行動に『ありがたい』という感情、気持ちを持たせてもらった」と感謝し、必ず力に変えることを約束した。

会見終盤には、クラブが今後の新方針も発表。今月30日を皮切りに、これまで非公開だった試合2日前の練習を原則公開とすることを明らかにした。大槻監督の意向で、普段の取り組みからオープンにする。「サポーターにご心配お掛けしている。ぜひ見ていただいて、ともに戦いたい。厳しい指摘があれば、ぜひ言っていただきたい」と再び一丸になることを求めた。

最後まで走り、貫くという就任当初からの指導方針は揺るがない。とはいえ、覚悟は決め直した。リーグ戦は15位。勝ち点4差の15位鳥栖との直接対決へ向かう。「選手も、やっていないわけじゃない。ただ、もっとやれるところを追求していきたい。今の順位から何をすべきか、試合で表現していくしかない。選手とともにやっていく」と決意を新たにした。【木下淳】