【リヤド8日=木下淳】2大会ぶり史上初3度目のACL優勝を狙う浦和レッズが、アルヒラル(サウジアラビア)との決勝第1戦へ最終調整した。

2年前と同一カードで、前回アウェー戦はシュート20本を浴びながらGK西川が好守連発。1-1で切り抜けた。その守護神が累積警告で出場停止。首都で行われた公式会見でも、サウジアラビア記者から最初にGKに関する質問が投げかけられたが、大槻監督は堂々予告先発した。「福島春を起用する。非常に信頼を置く選手だ」。1日のリーグ鹿島戦でJ1初先発させた準備を生かす。

ACL初出場が決勝という大勝負に臨む福島春。公式練習を終えると「このチャンスを生かすも殺すも自分しだい」と高揚した。ベンチ外でも当地に同行している西川のサポートに「心強い」と笑顔を見せながら「今までサブだった時の思いも胸に秘めながら、表舞台に立ちたい」と燃えた。

チームは5日川崎F戦の約3時間後に深夜便へ飛び乗る強行軍。カタール、オマーン経由で24時間かかった移動も踏まえ、決勝で先発見込みの11人全員が川崎F戦では温存された。興梠は「勝ち点1は拾って帰らないとターンオーバーした意味がない」。ACLアウェー4戦連発で24日のホームでの第2戦を有利にすべく「やるだけ」と言った。

会場は2年前の会場キング・ファハド国際スタジアムではなく、サッカー専用で新設されたサウード国王大学スタジアム。収容人数こそ6万人から2万5000人に減ったが、ピッチは至近で、入場券が3分で完売したという熱気に包まれる。環境も戦力も、より充実させてきた砂漠の王を相手に総合力が試される。気温も、日中は最高35度も夜間は10度台。湿度20%と乾燥はしているが、中東特有の暑さは影響なさそうだ。