J2モンテディオ山形が15年以来5年ぶりのJ1昇格を目指し、必勝態勢で24日最終節の町田戦(午後2時、NDソフトスタジアム)に臨む。自動昇格こそなくなったが、現在勝ち点70で4位につけ、6位までが進出できるプレーオフ圏内をキープ。勝ち点3差に8位水戸まで5チームがひしめく混戦とあって、最後まで予断を許さない。新人ながら開幕から全試合に出場、13戦連続スタメン中で攻撃の核となるMF坂元達裕(23)も、エースの自覚を胸に勝ちをつかみにいく。

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他力は頭にない。最終節は全会場午後2時に同時キックオフ。他会場の結果いかんでは、負けてもプレーオフ進出が決まるが、あくまでも勝利だけを追い求める。独特なプレッシャーで迎えるリーグ最終戦に坂元は、「自分にとってもいい経験になると思う。でもこれで勝たなきゃ意味ないですし、その中でも楽しむことを忘れず自分たちのプレーをしたい」と生粋のドリブラーとして、「魅せて勝つ」ことを約束した。

負けたらプレーオフ進出に黄色信号がともる前節の山口戦でも、絶体絶命のピンチからチームを救った。前半を0-2で迎えた後半9分だった。ゴールキックからのショートカウンターで、右サイドで相手に競り勝ち、スピードに乗ったままFW山岸祐也(26)にスルーパスを通し、反撃の1点をもたらした。同29分には相手の裏へ通すロングパスで、同点弾の起点となった。同32分の決勝ゴールでは同じシャドーのMF井出遥也(25)とともにゴール前で相手DFを引きつけ、後方から入り込んだ山岸のハットトリックをお膳立てした。「体もキレているし、今が一番コンディションがいいと思います」と絶好調宣言も飛び出した。

強い自覚も芽生えてきた。「最初の頃は、ルーキーだからとチャレンジャーの気持ちで勝負していた。でも今は自分の中ではルーキーと思っていない」。木山隆之監督(47)も「1年間、チームの軸としてプレーし数字も残してきた。今回はプレーオフを狙う状況で、チームを勝たせられるかどうかが選手としての価値になると思う。そういう仕事をしてほしい」と大きな期待を寄せた。「1年間やり続けてきて自信もついてきた。特に自分のドリブルは通用すると思っている。チームの中心として、しっかり流れを変えるプレーをしたい」と強い覚悟で大一番に臨む。【野上伸悟】