J薄氷のJ1参入プレーオフ進出だった。モンテディオ山形は後半2分にFW大槻周平(30)のゴールで先制したが、町田ゼルビアに1-2の逆転負け。前節4位から急転落し、6位でシーズンを終えた。

最後の椅子を争った7位水戸ホーリーホックとは勝ち点、得失点差がともに並び、最後は総得点で3上回り滑り込んだ。プレーオフ初戦は3位大宮アルディージャと12月1日にアウェーで対戦。J1への道は敵地3連勝しか残されていない。

時間が過ぎていくのを待つしかなかった。1点ビハインドで後半ロスタイムに突入。山形より先に水戸の試合が終了し、プレーオフ進出へは1失点も許されない状況になった。GK櫛引にボールがわたると、約1分30秒間保持し続けて時間を使った。町田もこのままのスコアでJ2残留が確定するため、両者ボールを動かさず膠着(こうちゃく)状態で試合終了の笛が吹かれた。

シーズン終了セレモニーでMF山田拓巳主将(30)は「昨シーズンの最終戦は、目の前で大分にJ1昇格を決められて本当に悔しかった。今回はJ1への可能性を残したままシーズンを終えられた。本当に厳しい戦いが続くが、山形らしさを表現できれば復帰できると思う。最後まで全力で戦います」とサポーターに宣言した。

木山監督は「残念ながら自動昇格できなかったが、1年積み上げてきたものを出し尽くして、次のステージへ進む試合をしたい」。5年前は今季と同じ6位から2連勝で昇格。当時から制度が変わり、今回はアウェー3連勝が求められる。最後にそれを達成したのも同じ5年前。下克上昇格へ奇跡を起こすしかない。【山田愛斗】

◆J1参入プレーオフ試合方式 J2の4クラブによる1、2回戦は90分の試合を行い、勝敗が決しない場合は年間順位の優位性を確保するため、J2の上位クラブが勝者となる。J1との決定戦も、勝敗が決しない場合はJ1の16位クラブが勝者となり、J1残留。J2クラブがJ1に昇格する場合は決定戦でJ1の16位に勝たなければならない。試合会場は1、2回戦ともにJ2の上位クラブのホーム、決定戦はJ1クラブのホームで行う。